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「ロッキー」はスタローンのものじゃない?著作権は大切です!【人生ほど重いパンチはない:再掲出33】

どうも「映画/健康雑談」の高岡です!還暦+2です!

来年2024年になるとシルベスター・スタローンとジェイソン・ステイサムが出演する映画「エクスペンダブルズ ニューブラッド」がやってきますねぇ~~。

                                     Sabine Langeによるpixabayからの画像

このシリーズは「パート2」「パート3」と回を重ねて行く度に1970年代、80年代に活躍したハリウッドのアクションスターたちが大挙して出演するということで有名でしたよね。今回はどうも世代交代の作品になっているようです。

※以下はYouTubeにあがっている公式予告編です!


www.youtube.com

「エクスペンダブル」シリーズのことは、この新作を観た後にご報告させて頂くことにして・・。

 

今日は私の別ブログ「人生ほど重いパンチはない」の中で書かせて頂いたシルベスター・スタローンの出世作「ロッキー」にまつわる最近の気になる同行について書いたブログを転記させて頂きます!

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シルベスター・スタローンがロッキー・バルボアというへビーウエイト級のチャンピオンボクサーを演じている映画「ロッキー」シリーズ。我々シニア世代では知らない人がいない往年の大ヒット映画シリーズです。ただ若い世代、特に10代はほとんど馴染みがない作品だったりするのかもしれません。f:id:TakTakaoka:20220125215120j:plain

上記フォトはPixabayからの画像になります。

シルベスター・スタローンが3日間で書き上げたシナリオ「ロッキー」を、彼は、後に一緒にこの作品を製作していくことになるアーウィン・ウィンクラーとロバート・チャートフという二人のプロデューサーに売り込みをしました。1970年の初頭のことです。この作品のストーリーに可能性を感じた二人のプロデューサーはスタローンから映画化のために「脚本の権利を買いたい」と申し出ます。二人はこの作品をすでに人気のあるスターの誰かに主演のロッキーを演じてもらう形で進めていこうと考えていました。しかし、スタローンは自分が主演でなければ脚本は売らないと主張をし続けます。ですから最初7万ドルの値段だった脚本料がスタローンがなかなか首を縦に振らないがために20万ドルを越える額まで跳ね上がります。ところが、スタローンは当時自分の銀行口座はほぼゼロに近い状態であるにも関わらず(本当は20万ドルという脚本料には「YES」と言いたかったところではあるのですが)お金の問題ではなく、自分がロッキーを演じなければ自分自身が一生後悔することになるとの思いからこの脚本は渡さないという思い(条件)を貫き通します。結果的に、プロデューサーたちはスタローンの粘りに根負けしてスタローンが「ロッキー」を演じることで映画化がすすみだしたのです。このことが功を奏して映画「ロッキー」はアカデミ―賞の作品賞に輝く名作映画になっていったわけです。

さてさて、「ロッキー」が大ヒットして、続く「ロッキー2」から「ロッキー4」まではシルベスター・スタローン自らが脚本と共に「監督」まで担当することになります。ここまでくるともう「ロッキー」シリーズというのは著作権的にもシルベスター・スタローンの「所有物」のように思えますよね。

しかしなのです。2020年以降、特に「クリード1&2」という作品が製作されたあたりから「ロッキー」の著作権の「雲行き」が危うくなってきてしまったのです。

「ロッキー1」が全米で大成功を収めたのが1976年でした。スタローン自身は、今まだ「ロッキー・バルボア」という役柄を演じ続けていますから、もう47年間も、この役を演じ続けていることになります。そして、もう一つ忘れてはならないのは、スタローンに脚本を売るように交渉していたアーウィン・ウィンクラーとロバート・チャートフの二人のプロデューサーもずっと「ロッキー」シリーズの映画をプロデュースし続けているわけです。

そして、ここにきて今迄良好にきていたスタローンとプロデューサーたちとの間に確執が生まれているということなのです。

「ロッキー」というシリーズは、6作目の「ロッキー・ザ・ファイナル」という作品で終了ということで、スタローン自身も、もうロッキー・バルボアを演じることはないだろうと思っていたわけです。

それでもやはり生きていると予想だにしないことは起こるもので、まだ長編映画監督として実績のなかったライアン・クーグラー(1986年生まれ)がスタローンに「アポロ・クリードの息子がボクサーになってロッキーと絆を築いていくストーリー」を映画化したいと持ちかけてきます。スタローンも面白い企画だとは思ったようなのですが、クーグラー自身に実績がない段階での提案だったのでスタローンの答えは「NO」でした。しかし彼の監督作第1作目の「フルートベール駅で」での評価は高く、時間はかかりましたが、ようやくスタローンも乗り気になり「ロッキー」のスピンオフの「クリード」が始動していきます。そして、マイケル・B・ジョーダンアドニス・クリードを演じることになります。作品は完成するとその評価は上々で興行成績も公開時の週末の成績は第3位となり興行的にも及第点を取れた形となりました。そしてスタローン自身も「クリード」の第1作目の演技で「ゴールデングローブ賞助演男優賞」を受賞「アカデミー賞助演男優賞」にもノミネートされるなど「ロッキー」役で賞レースへ参加することになったのです。このあたりまでは何となく「イイ感じの美談」的なスピンオフ物語なのですが、これが「クリード2」になったあたりから雲行きが怪しくなってしまいます。

「クリード2」は簡単に説明すると「ロッキー4:炎の友情」の後日談なのです。「ロッキー4」でロッキーはかつてのライバルで後に友人となったアポロ・クリードがロシアのアマチュアボクシングチャンピオンのイワン・ドラゴとのエキシビジョンマッチに臨み、その試合で命を落としてしまいます。目の前のリングで命を落としたアポロのリベンジを心に誓ったロッキーは、ロシアに赴き、ドラゴとの試合に挑み、勝利します。

「クリード2」では、ロッキーに敗れたドラゴが自分の息子をボクサーに育て上げて、ロッキーが育てたクリードに試合を挑んできます。マスコミもかつてのチャンピオン・アポロ・クリードの弔い合戦が行われると囃したて、自分の父親の敵討ちの絶好のチャンスとばかりにクリードは、この試合を受けてたつことにするのですが、これはまるでロッキーとドラゴの代理戦争のようでもありました。

「クリード2」で、ドルフ・ラングレンが演じる「イワン・ドラゴ」という役が「ロッキー4」以来、再び脚光を浴びることになったわけです。

ドルフ・ラングレンは、スタローンが手がけている「エクスペンダブル」シリーズに最初から出演しており、ラングレン自身も「スタローンはあなたにとってどんな人ですか?」という質問に対して「私に仕事をくれる人」と回答していますから、普段から恩義を感じているところはあると思います。

そこに、このドルフ・ラングレンが演じている「ドラゴ」を主人公にした物語のテレビドラマ化するという企画が急浮上してきます。そして、ドルフ・ラングレンが一緒にこのプロジェクトを進めていたのはスタローンではありませんでした。ドルフ・ラングレンがこの話しを進めていたのは「ロッキー」と「クリード」シリーズを映画化し続けているアーウィン・ウィンクラーの製作会社のスタッフたちでした。もっと言うとアーウィン・ウィンクラーらプロデューサーの息子たちでした。

このブログの冒頭で「ロッキー」が映画化される発端として「ロッキー1」の脚本をプロデューサーたちが映画化の権利をスタローンから買って主役を別の役者でやる構想でスタートしたと書きました。アーウィン・ウィンクラーらプロデューサーたちが渋々スタローンがロッキーを演じることで了承をしたことで映画化がスタートしていきます。この話しが文字通りだとすると、スタローンは「ロッキー」の脚本の映画化あるいは映像化の権利をプロデューサーの会社に売却していることになります。「ロッキー」の映画化が決まった段階では、完成した映画が成功するかどうかは全くの未知数だったわけですから、スタローンも、契約うんぬんよりもこの第一作目をなんとか成功させたいと思っていたに違いありません。今でこそ「超」がつくほどのスーパースターになっているスタローンですが、この段階ではまだまだしがない無名のいち役者にすぎません。著作権をしっかりと確保しておこうなどという発想が頭になかったとしても仕方のないことだと思います。

「ドラゴ」を主人公にした物語のテレビドラマ化のことはまったくスタローンに相談されずに企画が動きだしてしまいます。「エクスペンダブルズ」でずっと共演し続けているドルフ・ラングレンから何も連絡がなかったということに、スタローンが腹を立てたとしても、容易に頷くことが出来ます。ドルフ・ラングレンの言い訳のコメントとしては、「プロデューサー達から話しをもらった時、スタローンから既にOKが出ているものとばかり思っていた」ということだったようなので、これらの経緯から推測すると、プロダクション会社のプロデューサー達がスタローンに何も相談することなく、勝手にこの企画を進めていた事になります。彼らからすると「ロッキー」シリーズ、「クリード」のシリーズの総ての映像化を管理しているのは自分たちの製作会社なので「自由に創作出来る」と判断して動き出していると主張しているようです。

このことは「著作権の扱い」の大切さを教えてくれていますが、まさに「ロッキー・ザ・ファイナル」の中のセリフである「人生ほど重いパンチはない」という言葉をスタローン自身が今また噛みしめているのかもしれません。 了