どうも「映画/健康雑談」の高岡です!
これまでMARVELやDCコミックの原作漫画が映像化された映画やTVドラマを好んで見てきた私なのですが、どうも積極的に観る気が起こらなかった作品がありました。
それは「ヴェノム」です!
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観る気になれなかった主な原因は、正統派・正義のヒーローではなく「ヴィラン」つまり「悪のキャラ」だと聞いていたからです。
主演は「バットマン・ダークナイト ライジング」でバットマンの強敵ベイン役や「マッドマックス」でヒーロー・マックスを演じたトム・ハーディーなのですが、その「ヴェノム」なる悪党が主人公の体を乗っ取るという設定だということだけは知っていたので、きっと日本のデビルマンのような悪魔の世界からやってきて人間界を征服しようとする輩(やから)の話しなのだろうなぁと思っていたのですが、観てみると「宇宙」からやってきた意志のある生命体が人間の体に侵入して来るという設定で、侵入された人間は、頭の中で意志のある「謎の生命体」と会話をするというシーンがあるのですが、そのシーンを観て「えぇ、これってデビルマンじゃなくてウルトラマンじゃん」と思いましたね。そう思ったら俄然ストーリーに引き込まれてしまいました。(何とまぁ単純な!)
その「宇宙からやって来た生命体」は、何となくとげとげしいスライムのような物体なのですが、それが人間の体の中に入る時の映像での描写がとても自然だったので観ていてすんなりと受け入れてしまいました。全体の3分の1が経過した辺りからもう画面に釘付けの状態になり映画を存分に楽しむことが出来ました。
「アイアンマン」「スパイダーマン」から「アベンジャーズ・エンドゲーム」まで、CGを駆使して創造された映像というものは今この21世紀の世界では、極々当たり前の映像になっていますが、1980年代あたりの技術では、あのスライムみたいな宇宙生物を映像化すること自体、技術が追い付かず完全なる映像化は難しかったわけです。 CGで描かれているあの「謎の生命体」の映像を、自分の目で観て楽しめるということは 「実はとても幸せなことなんだなぁ」と思うんです。
今の10代20代の若い人たちは生まれた時から自分の廻りにCGで造られた映像が溢れているからあまりCG映像のありがたみを感じないかもしれませんが、この60歳のオヤジたち、おっさん達にとってはこれまでの人生の真ん中辺りにCG映像が出現してきたわけで、世の中をあっと言わせた衝撃的な登場の時期を味わってきているのです。
その世代の映画ファンたちは徐々にCG映像なるものに馴れ親しんできたと言った方がいいかもしれません。慣れ親しむ上で貢献してくれた作品を挙げるとすれば、その顕著な例がジェームズ・キャメロンが監督をした「ターミネーター2」であったり、スティーブン・スピルバーグの「ジュラシック・パーク」だったりするのです。
スティーブン・スピルバーグが監督した最初の「ジュラシック・パーク」が公開されたのが1993年でした。今からおよそ30年も前のことです。この「恐竜映画の企画」が動き出した時、スピルバーグはこの映画をアニマトロニクスという技術を主に使用しつつ映像化しようと考えていました。実物大の恐竜をまずはゴム製の模型で作ってその内部に様々な配線を施して、そして空気圧を利用して、恐竜の部分部分を動かすという結構職人技が求められる技術を大々的に使用することを考えていたのです。
しかし、撮影が始まってからほどなくして、あるCG技術を持った会社がスピルバーグのところにやってきて「自分たちのテクノロジーを使えばよりリアルに、まるで本当に生きているかのような恐竜の映像を創り出すことが出来ますよ」と売り込んできたのです。スピルバーグは彼らが持ち込んできたデモンストレーション用のCGで描かれた恐竜の映像に魅せられました。そして、自分の頭の中にあったシーンのイメージを彼らに伝えて「このようなイメージ映像を君たちの技術で作ってみて、次回それを私に見せてほしい。」と彼らに宿題を出しました。そして、約束の期日に出来上がってきた彼らのCG技術によって創られたイメージ映像をみて、そのクオリティの高さに驚き、そして、その会社と組んでCGで恐竜の映像を創り込んでいくことを決めたのだそうです。そのことによって映画の中で迫力があって、まるで本物と見間ちがうばかりに暴れ回る恐竜の姿を大画面で観る(体験)ことが出来るようになったのです。
そして、映画が公開されて劇場でその出来上がった映画の中で我々観客は今まで観たことがない「恐竜」という生き物が本当に生きているかのように動きまわる姿、その恐竜たちが発する強烈な鳴き声に驚き、圧倒されてしまったのです。そのリアル感には、本当に心臓が止まるほど驚かされてしまいました。
そして人々は「CG映像というものは凄い」という認識を持ちました。それが今から約30年前の出来事なわけです。
そんな訳で「ジュラシック・パーク」での恐竜が動きまわる映像は時代の最先端だった時期があり、あれから30年が経ちCGが作り出す映像が、極々当たり前の映像になってしまっていますが、あの93年に「ジュラシック・パーク」の最初のオリジナル版を観た大人たちは、それまで図鑑や一枚一枚静止画を映しては少し模型の形を変えて、次の写真を取り込んでは保存して創り上げていく(所謂「ストップモーション)技法で造り込んでいった恐竜の映像しか観たことがなかったのですが、CG技術による製作技法で創り出されたリアルな映像を楽しむというワンランクの上のステージに上がることになったのです。
当時、私はロサンゼルスで暮らしていてハリウッド地区にある映画館でこの「ジュラシック・パーク」を観たのですが、あまりにもリアルな恐竜の獰猛な姿に小さなお子さんたちはこぞって大声で泣きだしてしまって、親御さん達が慌てて場内から泣いている我が子を廊下に連れ出して泣き止ませるのに必死になっていたことを思い出します。
CG映像技術の出現前の「模型」「ミニチュア」「合成技術」を駆使して製作されていたSF特撮映画の「スーパーマン」「バットマン」「未知との遭遇」初期の「スター・ウォーズ」といった作品を創り出して、我々観客を楽しませ続けてくれた映画人の方々の熱意に敬意を表するとともに、CG映像技術を持って新しいリアルな映像を編み出してくれた映画人にも尊敬の念を抱いてしまいます。
皆さんが普段テレビで目にする「自動車のCM」ですが、車が軽やかにしなやかに滑走しているシーンを目にすることも多いと思いますが、あれってかなりの部分がCGで精巧に作られている映像だったりするらしいですよ。ごくごく自然に見えるように多額(何億円?)のお金をかけて製作しているものもあるらしいのです。
そういった意味で一映画ファンとして、コンピューター・グラフィックスの技術を持って創造された映像・特撮映画を無意識のうちに観て楽しむことが出来る時代を体験出来ていることに私はただただ感謝してしまうのであります。そういえば、私たちが若い頃、よく「ストップモーション」という言葉を耳にしましたが、最近はとんと聞くことも少なくなって「死語」になっているような感じがしますが、何だか少し寂しくも感じますね!