映画と健康/雑談で心ほぐし

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【人生ほど重いパンチはない 】「白旗の少女」ってご存知ですか?前編【12再掲出】

どうも「映画/健康雑談」の高岡です。還暦+です。

このブログは普段「お薦めする映画」「健康に良いこと」「私の日々の雑談」を書いていますが「目標達成」という「志」を持っている人たちを応援したいという思いから自分の別のブログで書いていたブログを今・まとめて転載させて頂いています!

今日お話しする「白旗の少女」の物語は戦争にまつわるお話しです。

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※今回のブログを書くにあたって、講談社青い鳥文庫「白旗の少女」(比嘉富子/著 依光 隆/絵)内容全般を参考にさせて頂きました。

第二次世界大戦という「戦争」は1945年の8月15日に日本の敗戦という形で「終戦の日」を迎えました。日本軍が1941年12月真珠湾(パールハーバー)の攻撃を行い太平洋戦争」が始まったことから「世界大戦」になっていったわけですが・・・。(それ以前から戦争自体は始まっていました・・)

あらすじ

時は太平洋戦争末期、場所は沖縄本島の南部。戦争が激しくなり家を出て逃げ惑う幼い4人の兄弟たち。逃げる途中で一番下の7歳の少女富子(とみこ)がひとりはぐれてしまいます。たった一人で戦場の中をさまようことになってしまう富子。そんな中、何かに引きよせられるかのように富子は穴倉で暮らしている体の不自由な老夫婦に出会います。しばしの間、富子はこの二人とまるで本当の祖父母と孫のようにして過ごします。しかし、そんな3人のところにも戦争の手が伸びてきます。そして、この3人に悲痛な決断の時がやってきてしまいます。

これは白旗をもって、アメリカ軍に投降し、戦争という困難な時代を生き抜いた一人の小さな女の子の身の上に起こったとても凄惨 / 悲惨な体験談であります。

我々は、自分たちが生きている時代において新型コロナというやっかいな病気に対峙してきましたが、それでも「白旗の少女」の物語は「戦争」後の「平和な日本」に暮らしている我々にとって、本当の「戦争の酷さ・悲惨さ」を教えてくれるとても貴重な人生の記録(物語)だと思います。

この物語は、過去に2度、1990年にフジテレビで、2006年にテレビ東京で、それぞれドラマ化されています。

この物語の主人公・松川(結婚後:比嘉)富子さんは、松川家の9人兄弟の九番目の末っ子として生まれました。ですが沖縄が戦地と化してしまった時には、既に上の5人の兄弟はお嫁さんに行ったり、戦地に赴いていたりして、すでに松川家の実家を離れていました。富子さんの母カメさんは富子さんが6歳になる誕生日の3ケ月前に急性脳膜炎で亡くなってしまいます。

そして、敵軍の沖縄への上陸が本格化してしまい、ある日を境に父親が帰ってこなくなってしまいました。おそらくどこかで命を落としてしまったものと思われます。家に残されたのは、ヨシ子(17歳)、初子(13歳)、直裕(ちょくゆう、9歳)、そして富子(6歳)の兄弟4人だけ。一番上のヨシ子が父親の代わりとなって敵の攻撃が迫ってきていることから家を出て「南へ」と南下していくことを決意しました。しかし昼間は敵の攻撃があったので防空壕やガマと呼ばれる自然に出来た洞窟のような窪地に身を隠して南へと歩くのは夜暗くなってからという生活がスタートしました。しかも上の兄弟たちは、自分たちが食べるための食糧を運びながら歩いていくのです。

そして、父親がめざしたであろう方面へと歩を進めていきますが、敵の島民への攻撃の手は緩めるということはなく、ますます凄まじくなっていきました。爆弾などの攻撃で命を落とした人たちの死体が道のあちらこちらに転がっており、兄弟たちはその死体をまたいでは進み、またいでは進むといった日々となりました。(富子さんは「まさに地獄だった」と語っています)兄弟たちは、とにかくただひたすらに何日も何日も歩き続けました。

しかしです。富子は、一人、また二人と兄弟から離れていくことになってしまいます。しっかりと握っていたつもりの手だったのですが、いつからかまったく知らない女性の服を握っていたのです。このことは、6歳というまだまだ小さい少女が、突然広いこの世の中、しかも戦争という不安極まりない世界にたった一人で放り出されてしまったことを意味しているのです。

活かせるものは自分の知恵しかないという状況の中、富子は、以前に父親から言われたことを思い出していました。それは「鬼ごっこ」に関してでした。「いいか、他の人と同じことをしていては鬼に捕まってしまうんだよ。だから人と違うことをするんだ。そうすると鬼に捕まらなくなるんだぞ。」この言葉に従って、富子は人が集まるところは避けるようにして過ごしていきます。しかしながら、人から離れるということは「住みか」と「食べ物」からも遠ざかってしまうことになります。そんな時、助けてくれるのは自然や小さな動物たちでした。小さな動物についていくとそこには食べ物があったりしたのです。そんなこんなで何とか生き延びていく富子。

しかし、あまりにも多くの死体を見てきたために自分の姉たちもきっと死んでしまっているに違いないと思うようになります。

そして、歩いて歩いて、とにかく、歩いて、ついに島の南端にまできてしまいました。しかし3日間、何も食べておらず、疲れ切ったがために自分の死ねる静かなガマ/穴倉を探しはじめます。

すると近くに「飲める水」が湧いている泉がありました。そして、その近くには「穴」がありました。その穴からは何だかお母さんが作ってくれた「お味噌汁」にも似たような匂いがしてくるのです。死を覚悟している富子に恐いものはなくなってきており、その穴の中に入っていってみることにしました。 つづく