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【映画130】アニメ「不滅のあなたへ」に魂を揺さぶられています!【ネタバレ注意】

どうも「映画/健康雑談」の高岡です!還暦+1です!

アニメの記事なのに、また【映画】のジャンルに書いているとのご指摘はごもっともなのですが、アニメに関しては私が夢中になっている作品は「五等分の花嫁」のように是非とも映画化して欲しいので【映画】ジャンルに書かせて頂いております。どうかお許しを!!

                                     Sabine Langeによるpixabayからの画像

2022年の秋、私は「不滅のあなたへ」というアニメーションにハマっています。「不滅のあなたへ」は原作コミックから読んでいたので前々からアニメ化されるのを待ち望んでいました。しかも出来上がったアニメが期待を裏切らない作品になっていたので良かったなぁと思っています。すでにシーズン2にも突入していて私は見続けていきます。

以下は、この作品を知らない人には「ネタバラシ」ともなってしまっているので、この作品の内容をあまり知りたくないという方はここで読むのをストップして下さい。お願いします。NHK Eテレで2021年4月から放送が開始されているので「ネタバレ」云々を気にすることもないのかもしれませんが、まだまだこの作品の素晴らしさをご存知でない方々もいらっしゃると思います。

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【シーズン1】の物語は、劇中に登場してくる「観察者」と呼ばれているマントにほお被りの「黒い男」が「球(きゅう)」を地上に投げ入れるところからスタートします。この「観察者」はあらゆる物のデータを集める事を目的して球(きゅう)を投げ込んだと言っています。それは、ただの球ではなく、その球の近くにあるものの姿へと変貌を遂げていきます。最初それは石へと姿を変え、しばらくは石の姿のままでいましたが、次に南方から現れた白いレッシオオカミへと姿を変えます。その後、一人の少年に出会います。その少年は、若くして命を落とすことになります。するとそのオオカミは、その少年に姿を変えます。そして、初めて「球」は人間に姿を変えることになり意識が宿ることになります。どうもその球は身近にいたものが死んでしまうとその亡くなった者の姿となり、その姿を内に宿しながら時を過ごしていくことになるのです。ただ、その姿が宿る時に必要なもの、それは「刺激」です。

その少年はまだ人間としての「意識」というものが得られておらず会話など出来るレベルの知能はなく、まるで犬やオオカミと同様のレベルなのです。

そして、その旅の途中で生贄にされる運命であったニナンナの幼い少女マーチに出会います。そして、このマーチから「フシ」と名付けられます。生贄にされるというところを逃げ出し、マーチとマーチが「ねぇね」と呼ぶパロメ、老婆ビオランとフシの4人はヤノメという国に向かいます。しかし、ヤノメに向かう途中に追ってきた輩から放たれた矢によってマーチは命を落としてしまいます。そして、失意の中、パロメはニナンナに戻り、フシは老婆ビオランとともにタクナハへと向かいます。そして、タクナハでフシは親のいない少年グーグーに出会います。

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この物語は、還暦を越えて涙もろくなっている私の心にかなりヘビーに響いております。最初球(きゅう)でしかなかった存在が「フシ」という少年の姿となり、人間としての感情が芽生えてからというもの、彼フシが関わりもって、彼に大きな刺激を与えた人間が命を落とす度に、生前の姿をその中に宿すようになり、その姿に体を変えることが出来るようになるわけですが、この物語の性質上、人が亡くなるというシーンが結構出てきます。各エピソード事にキャラクターに感情移入をしてしまうと、主要キャラクターが亡くなるシーンでは、感情移入の度合いが深ければ深いほど、自然と涙が溢れてきてしまいます。

この球なる存在が「強い刺激」を感じたキャラクターが亡くなるとそのキャラクターの姿を汲み取る(姿と形だけのコピー)という物語の仕組みが分かると、主だった登場人物の誰かが命を落とすのだろうなぁと思いながら物語を観続けていくことになります。ですが、幼い少女のマーチが亡くなるシーンでは彼女の夢が「大人になる」ことだっただけに涙が溢れてきてしまいました。

私ごとですが、自分の甥っ子が病に倒れて7歳であの世に旅立った時のことを思い出してしまい「大人になれない子供たち」がこの世界には数多く存在していることを知っているだけに溢れ出る涙を止めることが出来ませんでした。

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原作者の大今良時(おおいまよしとき)さんは、各エピソード毎のストーリー展開とそこに登場してきてフシと一緒に時を過ごすことになる主要キャラクターたちのキャラづくりとその登場のさせ方が絶妙です。この原作を創り出せたということは、彼女が物凄いストーリークリエイターの証しだと思います。

大今良時さんのこの前の作品は「聲の形」です。今回、こちらの作品についての詳述はしませんが、この作品もとても素晴らしい作品でありお薦めの作品なのであります。彼女のお母さんが手話の通訳をなさっているということで漫画原作自体にもお母さんに協力してもらいながら書いていたそうなので、その辺りの記述はやはり奥深くて、単に表面をなぞっているだけではないからこそ見る人の心が揺さぶられるのだと思います。耳に障害を持つ人たちへの思いやりの心から、彼女自身、時に「いのち」とは?ということをかなり以前から自分なりに心の中で追究してきたのではないでしょうか?そうでなければ「不滅のあなたへ」のような物語の着想はそう簡単には浮かんではこないのでは?!

大今良時さんは、1989年生まれの33歳。岐阜県大垣市のご出身で、ご家庭はお母さん、お姉さん、お兄さんとの四人家族で、どうも母子家庭だったらしいです。「聲の形」「不滅のあなたへ」を観た時に、この原作者はきっと様々な人生経験をしてきた中年の男性で、子ども時代は、両親がそろっておらず、兄弟がいるか、いない場合は、叔父や叔母、従妹たちと一緒に暮らすという環境の中で過ごしてきたのではないかと思っていました。私自身が母子家庭育ちで、私は幼少期に常に心の中で「何かが欠けている」と感じながら生きていました。それがゆえに母子家庭育ちの人は「命、運命、境遇」というものを皮膚で考えるという癖のようなものが付いてしまうという特性があるのではないか思っています、あくまでも私見ですが。

本当の原作者、大今さんは、母子家庭育ちではあるようですが、33歳の美しい女性の方で、「不滅のあなたへ」自体が様々な人生が交錯し、人生におけるとても尊厳のあるテーマである「死」というものが物語の中に連続して登場してきますので、これから中年世代になっていこうという麗しき女性が、こんな「重厚な物語」を生み出してしまうのだと知って正直びっくりしています。還暦+1の私としては、驚きとともに、大今さんご自身がかなり精神的にきつい中でお書きになられているでしょうから、うまくストレス発散をなさってほしいなぁと思ってしまいました。