「映画/健康雑談」の高岡孝光です。還暦+3です。
映画「関心領域」を物凄く恐い映画だと評する人達がいます。この作品が扱っている主題のことを知らない人達からすると「何が恐いの?」「何が凄いの?」と思われていることでしょう。

Sabine Langeによるpixabayからの画像
※この作品のあらすじ・ストーリーは、他の映画サイトの情報欄に譲ります
映画の中にエイリアンやプレデターのようなグロいクリーチャーは出てきません。映画の中に地震や竜巻・洪水のような自然災害なども出てきません。出てくるのは、ある地域の隣で暮らすごく普通?の生活をしている家族であり隣人たちです。その人たちの生活模様を観ているだけなのですが、それがとてもとても怖いのです。
それは、映画を観るその人自身が壁の向こうで行われていることに「胸を痛める人」であればあるほど、その地域で行われていることへの「関心度が高く」、無関心でいられる人たちとその生活ぶりに「怖さ」を感じてしまうのだと思います。あるいは人によってはその平穏に暮らす、いや、暮らさざるをえない家族に対して「怒り」すら感じてしまうかもしれません。
ただ、この映画、アウシュビッツ収容所というところで、戦争中にどんなことが行われていたのか知らない人・子供たちが観た場合、ごく平凡な家族の日々の生活が描かれている映画としか思わないかもしれない。
我々、現世を生きている者たちは、広島・長崎に原爆が落とされて無残な死に方で亡くなった方々がいたことを伝え続けなければいけない。同様に、アウシュビッツ収容所でどれだけの人たちが酷い目にあって命を落としてしまったかという事も後世に伝え続けていかなければならない。
私はこの映画はそのために製作されたのだと解釈してします。
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監督はジョナサン・グレイザー。2000年に長編映画「セクシー・ビースト」で監督デビューをし2004年にはニコール・キッドマン主演により「記憶の棘」という作品を監督しています。これは亡くなった自分の夫の生まれ代わりだという少年と出会うという物語。主題は面白いのだが、監督の何だがはっきりと真実の姿を描き出さないという手法はその頃から健在で、期待作だっただけに、この作品を観た後にモヤモヤ感が拭えなかったのは残念でした。でも、今だからこそ、もう一度、観直してみたい、そんな作品ではあります!