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大ヒットした絵本「木を植えた男」のお話!【ネタバレ注意!】【雑談093】

お題「大好きな絵本は何ですか?」

どうも「映画/健康雑談」の高岡です。還暦+2です。

今日は、今でも大切にしている大好きな絵本「木を植えた男」をご紹介します。

上のフォトはPixabayからの参考映像であり「木を植えた男」とは関係ありません!

 

この絵本の原作はフランスの作家ジャン・ジオノの短編小説であり、1953年にフランスで発表されています。しかし、アメリカで人気を博したものの、ジオノの母国フランスでは彼の死後13年経った1983年に児童書としてようやく出版されました。

この作品が世界的に有名になったのは、この原作の短編小説をカナダのフレデリック・バック氏が4年半をかけてアニメーション化と絵本にしたのです。そして、その完成したアニメーションが第60回アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したことにより、その知名度は一挙に高まり、作品自体の評価も急上昇したのです。この短編のアニメーションは、1987年当時、日本版では三國連太郎さんがナレーションを行い、LDとVHSビデオがリリースされて大ヒットしました。私はこの時期に発売された「絵本」(ジャン・ジオノ 原作   フレデリック・バック 絵 寺岡 翼 訳 あすなろ書房 刊)の方を購入いたしました。その後、DVDもリリースされています。

 

【あらすじ】

1913年、フランスのプロヴァンス地方。ある若者が普通の人なら足を踏み入れないような山奥を若さに任せてつき進んでいた。しかし、水筒の水がなくなっていた若者は泉を探しに荒野をさ迷う。5時間あまり歩き続けているとはるかかなたに一つの人影が見えた。それは羊飼いだった。彼の廻りには30匹ほどの羊がいた。彼は若者に水を与えてくれたばかりか、家まで案内してくれた。若者はその家に泊めてもらうことになる。  <中略>

羊飼いは名前をブフィエといった。歳は55歳だという。彼は一つ一つカシワの種を植えこんではその上に土をかぶせた。彼はすでに3年前から10万個の種を植えていたが、そのうちの2万個が芽をだした。 <中略> 

ブフィエはその後も木を植え続ける。87歳でその生涯を閉じるまで・・・。

 

この絵本は決して分厚い本ではありません。全部で47ページです。なのですがその読み甲斐のあること。

 

この物語を読む人は、ブフィエなる羊飼いが実在した歴史上の人物だと思ってしまうのですが、この人物は実在せず、物語は、完全なるフィクションなのだそうです!

それでも、この物語に描かれているブフィエという人物の崇高さに感銘を受けざるをえません。人間は、例え孤独で一人で生き続けたとしても、その「意志」と「行動」が揺ぎ無いものであれば家、後世の人々の為になるものを残すことが出来るのだということを教えてくれ、そして未来への「希望」すらも感じることが出来るとても素晴らしい物語なのであります!

この絵本・物語は、しっかりと時間があり、気持ちに余裕がある時にお読みになられることをお薦めします。そうした時に読む方がより深く内容を理解出来ますので。

木を植えるという静かな作業を、長期間に渡り、一人の男が繰り返し、繰り返し、継続して行っていくわけですが、その結果、もたらされる山肌に広がる壮大なる景色の変化。フィクションとは分かりつつも、羊飼いの崇高で気高い静かな「心意気」にこちらの心にも新鮮な山の息吹きを吹き込んでくれる、優しくも清々しい気持ちにさせてくれるのです。

 

この物語は、じっくりと時間に余裕のある時に読んで頂きたいです。慌てた状態で読んでしまうと、この物語の深遠さ・全体像を捉えきれずに、通り過ぎてしまうおそれがあります。

 

アカデミー賞の短編アニメーションの賞を受賞した作品は30分ほどの長さの作品ですが、日本版の三國連太郎さんのナレーションが作品の内容にマッチして最高にしっくりとくるのです。こちらも時間を作ってでも、是非とも、鑑賞して頂き作品なのであります。

これは「不屈の精神」「たゆまぬ熱情」を備えた静かな男の物語です。この生き様をどう捉えて、どう消化・昇華するかはあなた次第です!!