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【映画136】「マンデラの名もなき看守」はとても・とても良い作品だと思います!

どうも「映画/健康雑談」の高岡です!還暦+1です!

映画には「著名な映画賞」を受賞してもよい筈の内容なのに受賞歴のない映画があったりしますよね。今日ご紹介する映画も、内容的にとても素晴らしいのに「大きな映画賞」を受賞していない作品です。今日は「マンデラの名もなき看守」という作品をご紹介します。

                                   Sabine Langeによるpixabayからの画像

この作品は実話の手記を映画化した作品です。日本で公開されたのは2008年ですから今から15年前の作品ですね。監督は「ペレ」という作品でカンヌ映画祭でパルム・ドール賞、第61回アカデミー賞・外国語映画賞を受賞して注目を集めたデンマーク監督のビレ・アウグストです。彼は「愛の風景」という作品でもパルム・ドールを受賞しているので私は彼を「名監督」だと思っています。

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この映画は、ロベン島の刑務所に収監されていた政治犯のネルソン・マンデラを監視する任務につくことになる「コサ語」が理解出来る警務官・ジェームズ・グレゴリーが書いた「Good by Bafana」という手記をもとに映画化されました。

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※以下はYouTubeに上がっている予告編になります。

www.youtube.com

後に南アフリカの大統領になるネルソン・マンデラ氏は、南アフリカのトランスケイで部族長の孫として生まれて、大学で法律を学び弁護士となります。そして、1944年にアフリカ国民会議(ANC)に参加して、当時の政権を握っていた国民党によるアパルトヘイト政策を廃止するために活動を行いました。

アパルトヘイト政策とは南アフリカ政府が1910~91年に実施した人種差別政策のことで人口の約8割を占める黒人の参政権を否定して、住居地の指定などを義務付け、教育も白人と黒人を徹底的に分離しました。南アでは白人による支配を確立するため10年の発足当時から黒人差別的な政策をとってきたのですが、アパルトヘイトが法制化された48年以降はその差別がより強まっていきました。

60年には黒人解放運動を進めるアフリカ民族会議(ANC)は非合法なものとされ、その指導者だったマンデラ氏は捕らえられてしまい、その後、27年間も牢獄で過ごすことを余儀なくされてしまいます。

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ロベン島というのは、南アフリカ共和国西ケープタウンから約12キロの沖合にある島で、今では世界遺産にもなっている島ですが、1959年からしばらくの間は政治犯の刑務所・強制収容所として使われていました。この手記の映画化にあたってはピレ・アウグストとグレッグ・ラターが脚本を担当しました。ネルソン・マンデラの古くからの友人で英国のジャーナリストでもあるアンソニー・サンプソン氏は、どうもこの手記の内容を認めておらず虚偽が盛り込まれていると思っていたようです。映画を観ているとグレゴリーマンデラは政治やテロに関する会話は他の看守に隠れてしているシーンが出てきますが、マンデラ氏が実際に書き記している記録によると彼は、看守であるグレゴリーとは「政治の内容に関して話したことはなかった」としています。二人が政治やテロに関する会話を持つシーンというのは、一観客からすると、物語の中にある方が自然だし、ないと「映画」として何だか成り立たなくなってしまうようにも思います。

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1988年、マンデラはビクター・バースター刑務所に移ることになり、グレゴリーもそちらに転任します。マンデラを解放するべきだという国際世論の高まりもあり、マンデラには刑務所内で広い屋敷が割り当てられるなど、徐々に自由な生活を回復していきます。またアフリカ周辺諸国の高官とも会談するまでになっていきます。そして、ようやく、27年もの投獄生活に終止符が打たれる日がやってくるのでした。

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主演のジェィムズ・グレゴリーを演じているのはジョセフ・ファインズです。彼は1996年に「魅せられて」で映画デビューし1998年に「エリザベス」「恋に落ちたシェークスピア」に出演して国際的に名声を得ることになります。彼のは「シンドラーのリスト」や「ハリー・ポッター」シリーズ、「007」シリーズに出演しているレイフ・ファインズです。

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ジェィムズ・グレゴリーの妻・グロリアの役を演じているのはダイアン・クルーガーです。ドイツ出身の綺麗な女優さんですよね。国際的に名前が知られるようになったのはニコラス・ケイジと共演した「ナショナル・トレジャー」だったりします。私生活では現在「ウォーキング・デッド」「処刑人」シリーズなどで知られるノーマン・リーダスとのお付き合いが順調に続いているようですねぇ。

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そして、ネルソン・マンデラを演じている俳優はテレビドラマ「24」シリーズの中で黒人初の大統領として登場していた「デイビッド・パーマー」を演じたデニス・ヘイスバート」です。彼って「大統領」を演じていた訳ですが、本当に貫禄が体と顔から溢れ出ていましたよね!ですからアメリカの共和党、民主党の両陣営から本当に選挙に出ないかと打診があったそうですよ~~。

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史実に基づき忠実に描かれているかどうかは定かではありませんが、劇中、最初「マンデラは処刑にするべきです」と言っていたグレゴリーがお互いに息子を亡くしたりして「27年間」という年月を共に過ごすことによって、徐々に心の絆を強めていきマンデラの言う事・主張する事に耳を傾けるようになっていきます。最初は「処刑すべきだ」といっていたグレゴリーが、後にはマンデラに心酔するところまだ自分の考えを変えるという姿を見ると「人間というのは『変わることが出来る素晴らしい存在』なのだ」と改めて思うのです。

お時間があり、ゆったりとした気分の時に、ご覧になる機会があれば、是非ご覧になってみてください。色々なことを考えさせられます。