映画と健康/雑談で心ほぐし

「映画」の話題をメインに「健康」「雑談」に関するブログをお届けします!もし気に入って頂けましたら右と下にあります「読者になる」のどちらかのボタンを押して頂けると嬉しいです!よろしくお願いします!

【人生ほど重いパンチはない:015 再掲出】毎日44キロ歩き続けるシャウル・ラダニー老選手  

どうも「映画/健康雑談」の高岡です。還暦+2です。

このブログは普段「お薦めする映画」「健康に良いこと」「私の日々の雑談」を書いていますが「目標達成」という「志」を持っている人たちを応援したいという思いから自分の別のブログで書いていたブログを今・まとめて転載させて頂いています!

f:id:TakTakaoka:20220125215120j:plain

上記フォトはPixabayからの画像になります。

今回のブログは前回の主人公・シャウル・ラダニー氏についてのお話しの続きです。彼は戦地から戻るとようやく「勉学」と「競歩」に費やす時間が持てるようになります。

f:id:TakTakaoka:20211028094823j:plain

そんな彼にも穏やかな時間が流れ始めていき「競歩」に熱中する時間も持てるようになります。そしてイスラエルにおける「競歩」代表選手に選出されます。この事によって彼はまたもや「辛い事件」に巻き込まれて行ってしまいます。シャウル・ラダニー氏は、1972年に「競歩」の代表選手としてドイツのミュンヘンで行われたオリンピックに出場します。しかしながらです、彼はパレスチナ・ゲリラによる「イスラエル選手宿舎占拠テロ」に遭遇してしまいます。

オリンピックの試合に出場した彼の「競歩」の成績は入賞には至りませんでした。試合を終えて宿舎で就寝しようとした矢先「アラブの襲撃だ」という仲間の声が、部屋の外から聞こえてきて、廊下に出てみると「血のり」が広がっていました。さっき「おやすみ」の挨拶をしたレスリングの監督が倒れており死亡していました。シャウル・ラダニー氏は「通報しなければ」という思いからベランダに出て宿舎からの脱出を試みて成功したのです。その後、ゲリラは選手や監督を人質にとり、イスラエルが収監しているゲリラたちの仲間の釈放を要求。その後の救出作戦は失敗となり、11人(選手5名、スタッフ関係者6名)全員が死亡してしまったのです。

シャウル・ラダニー氏は、仲間のひつぎとともに、帰国した際に「死んだ仲間の分まで精いっぱい生きよう」と誓ったのだそうです。

=======================================

スティーブン・スピルバーグの監督作品「ミュンヘン」では冒頭のパートに於いて「ミュンヘン五輪」に於けるパレスチナ・ゲリラによるイスラエル選手宿舎襲撃の模様が描かれています。映画の中ではかなり緊迫した血生臭い現場が描かれているのですが、あの現場にシャウル・ラダニー氏がいて、あそこから「逃げ切った」ということですから、このラダニー氏、彼は自分でも「私は幸運に恵まれています」と言っていますが、本当に「強運の持ち主」だと思ってしまいます!

 

この新聞記事を書いたライターの三井美奈さんは、

「  強靭な精神で苦難を乗り越えてきた鉄人。前向きに生きることが、幸運を呼び込む最大の秘訣のようだ。」

だと記事を結んでいます。

( ここまでは2008年8月22日の読売新聞の夕刊に掲載された記事を基に書かせていただきました。この記事の時点でのシャウル・ラダニー氏の年齢は72歳でした。

現在2023年2月(再掲出時は10月)。私がラダニー氏の事を知る事になったこの記事の掲載からおよそ15年が経っています。

2012年、75歳でも一日最低15キロは歩く生活を続けており、コロナ前まではコンスタントに歩いていたのだそうですが、昨年2020年はさすがに「コロナ禍」ということで、思うようには歩けていないようです。

(※2023.02.14.現在のラダニーさんの情報が未確認なのですが、おそらく現在86歳になられていると思われます)

ラダニーさん、5歳の時、親戚など多くの知り合いが空爆で命を落としたにも関わらず、母と地下室にいたことから難を逃れます。そして、強制収容所に入れられるのですが終戦となり6ケ月ぶりに自由の身となります。その後、3度、戦争に参加して戦地で「砲兵」として戦い、無事に帰国することが出来、「ミュンヘン五輪」でのゲリラ事件への遭遇するも一命を取り留めています。

66歳でりんぱ節にガンがみつかり治療に専念と、彼が体験してきた事柄は、どれ一つをとっても普通の人の人生に照らし合わせてみた場合、普通の人にとっては、そのどれもが「大事件」と言っていいでしょう。

確かに彼は「幸運に恵まれて」という表現を使って自分の半生を思い返ってはいますが、でもこれだけの試練・難局を乗り越えるには「それに耐えうる肉体」が必要ですし「折れない心=精神」も養っておかなければ、いざという時に足がすくんでしまい、思うように動けないのではないでしょうか。ミュンヘンでゲリラに襲われた時、ラダニーさんはベランダから逃げて、銃弾を被弾することなく逃げ切ることが出来たわけですから、常日頃から「鍛錬」していなければ、戦地で前に進む「体」にはなっていないでしょうし、瞬時に判断する際の「腹/胆」も据わっていなかったでしょう! 

私などは彼の足元にも及ばないのは確かなのですが、

「鍛錬」!この言葉の意味するところを会得したいという気持ちだけは持っていたいものです!!