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【映画074】「何かに甘えているなぁ」と感じた時に是非観てほしいのが、イラン映画「太陽は、ぼくの瞳」です!

どうも「映画/健康雑談」の高岡です!

今日、ご紹介するのは1999年に製作されたイラン映画で、タイトルは「太陽は、ぼくの瞳」です。監督は前作「運動靴と赤い金魚」でモントリオール国際映画祭でグランプリを受賞したマジッド・マジディです。実はこの作品でも同じ賞を受賞しております!

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Sabine LangeによるPixabayからの画像

前作「運動靴と赤い金魚」は妹の靴を無くしてしまった兄が、無くした事を親に話さないように妹に口止めして、自分の靴を妹と二人で使いまわしながら「靴」を彼女に返すことが出来るかどうかという日常生活の模様を、シンプルに描く良質でなんだかほっこりする映画でした。最初に「妹の靴を失くした事」を親に話していれば何も問題は起きはしないのに・・・。

今日、ご紹介したいのは同監督が「運動靴と赤い金魚」の次に撮った作品「太陽は、ぼくの瞳」です。この作品のアイデアは運動靴と赤い金魚」の製作中から始まっていたそうです。「運動靴と赤い金魚」に登場する盲目の男性を演じる役者を選ぶために視覚障害者センターを訪問します。そこで出会った少年との交流が「太陽は、ぼくの瞳」の製作を進めるきっかけになりました。

【あらすじ】

テヘランの盲学校に通うモハマド(8歳)は夏休みにカスピ海沿岸の村の家族の元へ戻って来て、祖母や姉妹との再会を喜びます。母は5年前に他界し、父親は再婚したいと思う意中の女性がいます。しかし、盲目の息子がいるということに不安を感じています。縁談が順調に進み、息子の将来を心配した父親は、嫌がるモハマドをやはり目の不自由な木工・大工の下に修行に出してしまいます。モハマドの祖母は、息子のやり方に納得がいかずに家を出て行ってしまいますが、息子に連れ戻されます。そんな中、縁談は破談になってしまいます。そして、木工大工のもとで修行をしているモハマドのところに、父がやってきます。

 

「運動靴と赤い金魚」の時も観ていて感じたのですが、この作品でもイランの山間、川や湖周辺の景色が実に美しい。それと、私はロリコンではないですが、妹として登場してくる「女の子」たちが無垢でとても可愛らしいのです。それはもう「愛おしい」と思えるくらいの可愛らしさ」です。

この映画は盲目という宿命を背負って生活している「少年モハマド」と生まれながらにして父親がいない母子家庭で育った「モハマドの父親」の二人が主人公ではないかと思います。

※以下はYoutubeに上がっている「太陽は、ぼくの瞳」予告編です

www.youtube.com

これは「映画」なので「脚本」の中の「セリフ」を口に出して演技しており、二人がそれぞれ自分の恵まれない環境を包み隠さず述べるシーンが出てきます。「モハマド」の場合は、木工大工の先生に対して自分の「目が見えない境遇のつらさ」を、「モハマドの父親」は、自分の母親へ「父親がいない」ゆえに恵まれない日々を過ごしたことを、それぞれが自分の胸の中に仕舞ってあった思いを、感情の高まりとともに静かに/そして、強烈に語るシーンはとても真実味があり観る者の胸に強く押し寄せてくるものがあります。二人のセリフは「涙なしにはみられません」とは言いません。私は涙してしまいましたが。二人のセリフはあまりにも大胆で、しかもストレートに自分たちの心情を吐露しているので「涙する」よりも、観ている我々に対して「お前は自分がどれだけ恵まれているのか、分かっているのか?」「心の胸ぐらを掴まれている」かのような思いに駆られます。

おそらく本作と前作「運動靴と赤い金魚」を比べて後者の方が「好きです」という意見が多いだろうというのは容易に想像出来ます。しかしながら、私自身が「母子家庭」で育ったせいもあり、私は本作「太陽は、ぼくの瞳」の方が好きです。

「モハマドの父親」が、女手ひとつで育ててくれた「母親」に向かって、よくもまぁ「そんなことが言えるなぁ」と呆れてしまう言葉を吐くのですが、でも心のどこかで「よくぞ、言った、言ってくれた」と思っている自分もいて。そう思ってしまう自分をとても恥ずかしいと思うのですが、愚痴を吐き出す父親を責めきれないとも思ってしまうのです。

人間は、国も、人も、育つ環境も、そのどれ一つを取っても、千差万別、それこそ「人生さまざま色々」なのだと思います!

このイラン映画は、ワイワイ・ワクワクしながら観るエンターテイメント系の作品ではありません、でも世の中、社会・世界を広く知るという意味では、観て頂きたいです!特に若い人たちには、観てみて、自分なりに色々と考えてみてほしいですネ!!