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【映画073】「日曜洋画劇場」スピルバーグ監督作「激突!」放送後の淀川長治さんが「ジョーズ」に触れた時の解説が忘れられない!

どうも「映画/健康雑談」の高岡です!

これからスピルバーグの代表作の一本をご紹介したいと思っています。以下のブログは、以前に私の別ブログで一度上げたものを修正及び加筆したものになります。           

=======================================さて、以下に映画「ジョーズ」のことを語りたいと思っているのですが、その前にちょっと説明しておきたい事があります。何かというと「昭和時代のテレビ洋画劇場」についてです。昭和の時代、日々生活していたシニアの方々には極々普通のことであったテレビ放送の常識というものがありました。

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Sabine LangeによるPixabayからの画像

今の若い人達には信じられないかもしれませんが、まず野球のシーズン中は日本テレビは地上波で毎晩「巨人戦」の生放送をしていました。それが当たり前で日本人はすんなりその状況を受け入れていました。それと民放の各局が「映画」を放送する枠をきっちりと設けていました。以下は各局の映画放送枠と当時の解説者とおおよその放送されていた期間になります。

  • 日本テレビ「水曜ロードショー」   水野晴郎1972.04.05. - 1985.09.25. 
  • TBS「月曜ロードショー」             荻 昌弘1969.10.06. - 1987.09.21.   
  • フジテレビ「ゴールデン洋画劇場」     高島忠夫1971.04.02.-2001.09.29.
  • テレビ朝日「日曜洋画劇場」                  淀川長治1967.04.09.-1998.11.15.
  • テレビ東京「木曜洋画劇場」                       1968.02.08. - 2009.03.26. 

見て頂くとお分かりのように当時のテレビ放送は、結構、外国映画のオンエア枠があって普通に地上波で映画放送を見ていて、次の日に学校で「昨日の映画見た?」なんていう会話は普通に行われていたんです。うんん、思い出すと懐かしいなぁ~。

さてさて、テレビ民放局での「洋画劇場」の話題はこの辺にしておき、今日はスティーブン・スピルバーグの名前を全世界に知らしめた「ジョーズ」についてちょっとお話しさせて頂きたいと思います。この作品を撮ったころのスピルバーグは弱冠27歳という若さでした。

この「ジョーズ」の前にスピルバーグは「激突!」という作品を撮っています。この作品はそれこそスピルバーグが20代の前半「ジョーズ」よりも前に監督した作品なのですが、アメリカではテレビ用の映画として製作されました。でも日本では劇場公開されたんですねぇ。

この「激突!」の内容ですが、とあるサラリーマンが車を走らせていると前方に「大きなトレーラー車」が現れてそれを追い抜きます。それに腹を立てた(?)トレーラーの運転手が執拗に彼の車を追いかけまわすというサスペンスロードムービーなのですが、スピルバーグの演出が憎いのは追いかけてくるトレーラーの運転手の顔を映さないのであります。

この「激突!」という映画ですが「日曜洋画劇場」で放送されたことがありました。映画の放送が終わった後に解説者の淀川長治さんが語っていたコメントが今でも忘れられないので、事あるごとに皆さんにお話ししてしまうんですが、このようなことを言っていたんです。

「いや~、この映画怖かったですね。え~、スティーブン・スピルバーグという若い若い監督さんが演出しているんですねぇ~。この映画を撮った時はまだ弱冠24歳だったんです。なんだか才能溢れる若い監督さんが出てきましたねぇ。その彼が今はサメの映画、そう人喰いザメと人間が闘う映画を撮っている最中だっていうんですねぇ。どんな映画になるんでしょうね。今から楽しみですね~。それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ

今振り返ると、もうこの時に淀川さんはスピルバーグのことを「楽しみな若い才能のある監督が出てきた」と言っていたんですねぇ~。

それから数年後、映画「JAWSジョーズ」は世界中の劇場で大ヒットとなりました。もちろん日本でも凄まじい勢いでヒットしたんです。そして、劇場公開からしばらくしてこの「JAWSジョーズ」淀川さんが解説者を務める「日曜洋画劇場」で放送されることになりました。YouTubeを検索していただくと、「日曜洋画劇場」で映画本編前の淀川さんの解説映像がアップされていたりするのでご興味ある方はググってみてくださいな!

 

「男はつらいよ」と言えば山田洋次監督作品ですが、山田監督は、映画「男はつらいよ」の冒頭の夢のシーンで「JAWSジョーズ」をパロったことがありましたが、山田監督が「映画JAWSジョーズの本編」を観た後の雑誌のインタビューの中で以下のようなことを述べていたことがあります。(若干違う表現だったかもしれませんが・・)

「いや~~、あのシーンを撮るのって、もの凄く難しいと思う。あの船の傾きとそれと同時の起こる水しぶき!どうやって撮ったのかなぁと思う。弱冠27歳の監督が撮っているんだよね。」

 

山田監督が「感嘆」していたのは、黄色い樽に紐を結びそれを銛を銃で鮫に打ち込むのですが、樽を2つ付けたまま巨大ザメがいったんは海底に沈むのですが、しばらくすると、その二つの樽が海上に浮かび上がり、主人公たちに乗る漁船に方へ向かってきます。今度はエンジンから煙を出し始めた船を巨大ザメが引きずりまわし始めます。そのシーンで、船が傾き、巨大ザメの力によって船の横にもの凄いで波がぶつかって「もの勢い」で水しぶきをあげるシーンがあり、その「船の傾き」と船にぶつかる「水しぶき」のシーンを作り出すのは、本当に難しいということなのです。

「天才は天才を知る」というような表現があったかと思いますが、当時44歳の山田洋次監督も弱冠27歳のスピルバーグの才能を見抜いていたのだなぁと思ってしまうのです。

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「JAWSジョーズ」「JAW」とは「あご」のことで上と下の二つあるから複数形で「JAWS」と「s」が付いている訳ですが、スピルバーグはこの「JAWS(あご)」というタイトルの本がベストセラーとなっていることを知らなかったので、最初にこの台本を渡された時「歯医者」の話しなのかと思ったそうなのです。

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「JAWSジョーズ」と言えば、サメが近づいてくる時の「音楽」が有名ですよね。あの独特の曲もジョン・ウィリアムズが作曲した訳ですが、最初にジョン・ウィリアムズがスピルバーグに、サメが迫って来る時に「こんな感じのメロディでいきたい」とあの忍び寄る時の曲調をピアノで奏でて聴かせたそうなのですが、スピルバーグは全く予想もしていなかった旋律に「えっ、何これ?嘘でしょう?」と思ったのだそうです。ただ聞き続けていくうちに自分が考えている「巨大サメ」が最初は姿を現さないという演出法に実は見事にマッチしていることに気づいたのだそうです。そして、この作品はアメリカの映画史上初めて収益が1億ドルを突破した作品になった訳ですが、のちにスピルバーグ監督は「もしもジョン・ウィリアムズの音楽がなかったら半分も成功していかなかったかもしれない!」と回想しています。