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【映画056】スティーブ・マックィーンとダスティン・ホフマンの「パピヨン」を若い映画ファンはどう思うのだろうか?

どうも「映画/健康雑談」高岡です!

今日は昔見てとても感銘を受けた作品をご紹介したいと思います。最近、この作品はリメイクされましたねぇ。

今日はスティーブ・マックィーンとダスティン・ホフマンが共演し日本に於いて1974年に公開されたバージョンである「パピヨン」の方についてのお話しです。

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Sabine LangeによるPixabayからの画像

還暦の私と同世代の方々には説明の必要はないでしょうが、今の若い方々にはスティーブ・マックィーンダスティン・ホフマンという名前にあまり馴染みがないかもしれませんねぇ。

スティーブ・マックィーンは60年代から70年代にかけて活躍、ダスティン・ホフマンは60年代後期から90年代にかけて活躍したハリウッドの大スターです。彼らの代表作には以下のようなものがあります。

 

スティーブ・マックィーン

「荒野の七人」「大脱走」「華麗なる賭け」「ゲッタウェイ」「ブリット」「タワーリング・インフェルノ」

 

ダスティン・ホフマン

「卒業」「わらの犬」「大統領の陰謀」「クレイマー、クレイマー」「トッツィー」「レインマン」「アウトブレイク」

 

ダスティン・ホフマンは「クレイマー、クレイマー」(79)で、メリル・ストリープと夫婦の役で共演。映画の中の二人は離婚する夫婦という設定で、この夫婦の間には息子がいるのですが、この息子を夫が引き取り、お父さんと息子の父子家庭の生活という題材を描き、映画は大ヒットとなりアカデミー賞も作品賞、主演男優賞を含む5部門で獲得しました。

 

また「レインマン」(88)では、トム・クルーズと兄弟役で共演。サヴァン症候群(知的障害や自閉症などの発達障害等のある人がその生涯とは対照的に優れた能力を発揮すること)を患っている兄役を演じ、この作品でもその演技力は高く評価されました。アカデミー賞は8部門でノミネートされて作品賞と主演男優賞を含む4部門で受賞しました。

 

そんな二人が共演したのが「パピヨン」という作品です。

この作品はアンリ・シャリエールの自伝的な小説をもとに映画化されました。主人公パピヨン(スティーブ・マックィーン)は無実の罪をきせられてフランス領ギアナにある刑務所へ送られてしまいます。そこで生涯の友人となるドガ(ダスティン・ホフマン)に出会います。パピヨンはその刑務所からの脱獄を2度ほど試みます。そして、その都度、追手に捕まり刑務所に戻されることになり、その罰として最初は2年間、2回目は5年間もの「独房生活」を強いられることになるのです。

映画を観ていただくと分かるのですが、パピヨンの行動シーンはさらっと描いていたりするのですが、でもその実は「自分がパピヨンだったら」と自分に充てはめて各シーンをじっくりと観てみると、かなり気持ちの奥で大きく感じるものがあったりするのです。これってどうなんでしょう、女性からすると「分かんない、どういう意味」と言われてしまうのでしょうか。パピヨンという男が追い求めているもの、それをジェリー・ゴールド・スミスが作曲したテーマ曲が「何ともまぁ切ないメロディー」で包み込んでいくのであります。観ている側の心の中に「彼の哀れさ・一途さ」を染み渡らせてくれるのです。変な例えですが、「 おでんのはんぺん 」にうまく暖かい汁が染み渡るように。心にこの曲が沁みてくるのでありますよ。何と素晴らしい曲なのでしょう。

いつもなら私のブログではここでYOUTUBEから映画のシーンをお借りしてくるのですが、今回は、まだこの映画をご覧になっていない、ご同輩の方々、特に男性の方々に是非とも見て頂きたいという思いが強く敢えて映像をご用意いたしませんでした。

スティーブ・マックィーン演じる「パピヨン」という男の凄まじいまでの「自由な外の世界」への執着、決してあきらめない姿に、物悲しさを感じつつも「分かった。分かったから、もうあなたのやりたいようにおやりなさい!」と言ってしまいたい気持ちになってしまうのです。これはきっと、そこで止めてしまうと「彼」は何の為に生まれてきたのか?というところまで突き詰めて考えなければならなくなります。そうなると、空しく悲しい「空虚な答え」しかない(?)ことが分かっているから・・。だからこそ、あのテーマ曲が静かにしみじみと心に沁みてくるのだと思います。

まだご覧になっていない、ご同輩の皆さん、また若い映画ファンの皆さん、お時間ある時に是非じっくりと往年の2大スターの共演による「パピヨン」ご覧になってみて下さい!!

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2019年に製作されたリメイク版も観ています。私見ですが、結構良い「出来ばえ」だと思います。こちらのバージョンを先に観た人は、こちらの印象がじわ~っと心に残ると思います。満足出来ると思います。パピヨンをチャーリー・ハナムが、ドガをラミ・マレックがそれぞれ演じています。ラミ・マレックは、この作品の次に主演した「ボヘミアン・ラプソディ」が世界中で大ヒットとなり、彼が演じたフレディ・マーキュリー役で大ブレイク、アカデミー賞主演男優賞を獲得しました。最近は「007ノータイムトゥダイ」にも出演していますね。

エキストラの人の数や画面に映る景色の大きさからは、この新しい方の「パピヨン」の方が大作感を感じます。ただ個人的には、修道院の院長が出演しているシーンの設定とその描き方、旧作のような記憶に残るメロディー(テーマ曲)がない分、音楽に物足りなさを感じてしまいました。

 

音楽・テーマ曲の秀逸さ、マックィーンが演技で表現しているパピヨンの「体/心に沁みついている執念」といったものから、旧作の方がお気に入りではあります。