どうも「映画/健康雑談」の高岡です!還暦+4です。
映画「奇跡のバックホーム」を観てきました。通常、この手の有名人の人生を描く映画作品は、おざなりの演出でお茶を濁しがちだったりしますよね。私も最初この作品はタイガースファンや一部のドキュドラマ好きな人達だけに向けたご当地映画ような作品なのだろうと思っていました。
Sabine Langeによるpixabayからの画像
イヤイヤどうして。この作品はあらゆる人たちが魂を込めて作っておられる。ただ単に横田選手のバックホームが決まって凄いねぇと彼を賛辞するだけの作品ではない。
この映画作品の製作総指揮をしているのは原作本の出版社である幻冬舎社長の見城徹氏と外国映画の配給を多く手がけてきているGAGA社のトップである依田巽(よだたくみ)氏のお二人です。私は映像業界に長くいるため、お二人がどれだけエンタメ業界に貢献なさってきたのかを知っているつもりですし、お二人の動向、ご活躍なさっている様子はいつも尊敬の念を抱きつつ拝見してきました。
幻冬舎社長の見城徹氏という方は声もよく、コメントをなさる時などは実に適確でもっともっとこの人の話しを聞いていたいと思わせてくれる方ですし、依田さんは2009年から会長兼社長という立場でGAGAという会社を今日まで牽引なさっています。
(※お二人の細かい経歴等はこのブログでは省かせて頂きます)
このお二人が製作総指揮をなさっている作品だからこそ、この作品には底力があります。この作品が表面だけをただなぞっているような薄い作品ではなく「主人公の心の叫び」「支える側の一途な想い」「応援する人たちの温かい心」などをしっかりと丁寧に監督の秋山純さんが演出なさっているからこそ、阪神タイガースファンやスポーツドラマファンという枠を越えて映画が万人に受け入れられ大ヒットになっているのだと思います。
もちろん私も鑑賞時に何度も涙が流れました。
日々、健康に暮らしている方々にこそ、是非観て頂き、自分の廻りで起きている事柄をつぶさに沈思黙考するきっかけになる作品になってほしいですねぇ。
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先日、報知映画賞の授賞式がありました。本作品で主役である横田慎太郎選手の役を演じた松谷鷹也さんが「新人賞」を受賞しました。この作品をご覧になられた方は「納得」「当然」といったところではないでしょうか。
報知映画賞の授賞式の際、見城氏が壇上で松谷さんが主役に抜擢されるまでの経緯について話していました。秋山監督から「主演は松谷鷹也でいきたい」との打診を受けてから見城さんが「松谷さんが主役を演じる」との決断を下すまでに1年以上の歳月がかかったのだそうです。観客へのアピール度を考えると「既に有名になっている俳優の誰かにやってもらった方が集客に繋がる」と考えるのはプロデューサーとして当然の務めですから。それでもセンターからホームまでしっかりと自分で投げ切れる役者にこの役をやってもらうべきだという秋山監督の思いが見城さんを動かして半ば無名の「松谷鷹也」が主役の座を獲得することになったのだそうです。
ただこの映画はプロの野球選手が病いから復活してセンターからバックホームに見事に送球したというだけの復活の物語ではないのです。一人の人間の光と影、栄光と挫折、そして、生と死を真摯に見つめるとてもストイックな映画になっています!
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以前、別ブログの中で、私高岡の甥っ子が小児性の白血病と闘い7歳であの世の中に旅立っていったことをお話しさせて頂きました。命に関わる病いを持つご家族が抱える悩み・葛藤・大変さは分かっているつもりです。
横田選手は、28歳という若さで、天国へ旅立ちました。「まだまだやりたいことがあったでしょう。」と誰もが思います。
自分の元身内の話で大変恐縮なのですが、元甥っ子は7歳であの世に旅立ちました。彼には野球選手になりたいという思いがあったとしても、その道を歩むことすら出来ませんでした。人生の後半はただひたすら「病気」と闘う日々でした。彼をお見舞いに何度も入院している病院の小児病棟に行きました。皆重いを病気を患っている子供たちばかりでした。彼を何度もお見舞いに行くと同部屋の入院中のお子さんたち、そのご家族とも顔馴染みになってしまいます。その小児病棟の入院している子ども達は、皆、一様に明るいのです。重い病気を患っているのに・・・。
何度もこの入院病棟にお見舞いに行っているうちに、ある事に気づいたのです。甥っこのところによく来ていた可愛い女の子の顔が最近見えないなぁと。何の気なしに「〇〇ちゃん、顔が見えないねぇ」とふっと言ってしまったのですが、元妻から袖を引っ張られました。その言葉はその入院病棟では「禁句」だったのです。「顔が見えない」のは「無事に退院」というケースも勿論ありますが、その病棟では「=天国に行っちゃった」と直結していたからです。
私はこの病棟での経験したことはかなり強烈に自分の胸に刻まれています。本当に幼い男の子、女の子たちが、中学生・高校生になることすら出来ず、ましてや「夢を追う」ということ自体が「夢」という子供たちがいること、健常者は、日々の生活を真剣に生きなければいけない存在なのだとその時強く気づかされたのです。
横田選手は自分の夢を追う日々を送ることが出来ました。ましてやプロの野球選手になることが出来たのです。私の脳裏にいる子ども達よりも横田選手は自分の本懐を遂げることが出来て本当に幸せだったと思ってしまいます。
「ひと様の人生をお前があれこれ言うな」とどなたから強烈なお叱り受けるかもしれません。
これだけのお涙頂戴の映画なのに鑑賞しても何とも感じないという方もいらっしゃいます。人はそれぞれの人生を歩んでいて、すべての人が同様なレベルの感動を味わうことはないのかもしれません。
ですが、映画が大ヒットしているということは、やはりこの作品が人々の胸を打つ作品になっているからだと思います。
それでは、最後に、私がこの映画を観ていて一番心に刺さってしまった言葉をご紹介してこのブログを終わりにしたいと思います。それは映画の終盤で横田選手が病院で夕日を見ながら鈴木京香さんが演じる母親に言った言葉です。正確でないかもしれませんが・・。
「もうがんばらなくてもいい?」 了
