どうも「映画/健康雑談」の高岡です!
最近は映画の題名も「英語の題名」をそのまま「カタカナ表記」にするというのがスタンダードになってきていて、70年代~90年代のような日本向けの独特のタイトルが付いていて、その映画の内容に相応しいタイトルが付いている名作が誕生するということも少なくなってしまいました。例えば1992年に日本で公開された「Basic Instinct(ベイシック インスティント)」の日本語題名は「氷の微笑」であり、映画の内容を完璧にビシっと言い表していますよね。見事なタイトルだと思います。
1970年代から90年代は英語のタイトルを日本人向けに付けようという意思があって各映画会社の宣伝部の方々のセンスと腕の見せ所というところもあったと思います。また70年代から90年代にはなぜか題名に「愛と~~の~~」というような「愛」で始まる題名が結構あったりしましたね。例えば、例を挙げてみると「愛と喝采の日々」「愛と追憶の日々」「愛は静けさの中に」「愛と哀しみの果て」「愛と青春の旅立ち」などなどなど。以下にこれらの原題である英語題名を併記してみますね。 「愛と喝采の日々」(77) = "The Turning Point" 「愛と青春の旅立ち」(82) "An Officer and a Gentleman" 「愛と追憶の日々」 (83) = "Terms of Endearment" 「愛と哀しみの果て」(85) = "Out of Africa" 「愛は静けさの中に」(86) = "Children of Lesser God" 上に挙げたタイトルだけでもざっと5タイトルあります。どのタイトルも原題に「LOVE」の文字はないのに何故か日本語の題名は「愛~~」となっているんですねぇ。 当時、有楽町や新宿・渋谷の映画街を歩いていると映画館の前にでかでかと大きな看板がかかっていて、そこに確かに大きく「愛と~~の~~」という題名がしっかりと書かれており、それらの看板の下を歩くのが極々自然な光景でした。 う~ん、当時の街並みを思い出すとなんとも懐かしいものがあります!どれもこれもみんな印象に残っている作品ばかりなのですが、私の中ではロバート・レッドフォードとメリル・ストリープが共演した「愛と哀しみの果て:(85) "Out of Africa"」が強く心に焼き付いていて記憶から離れませんねぇ。007シリーズで音楽を担当しているジョン・バリーが曲を付けていたのですが、アフリカの原野を走る動物のシーンやロバート・レッドフォードとメリル・ストリープの感情の代弁している旋律が素晴らしくて、あれから何十年も経っていますが、無性に聞きたくなることがあって、そういった時にはサントラCDを取り出してきては聞いてしまいます。すると音楽を聴きながら、やはりジョン・バリーも天才の一人なのだなぁと感じ入ったりしています。 上の5つの作品はすべて素晴らしい作品ばかりなのですが、これら5つの作品に2作品ずつ出演している女優さんがお二人いらっしゃいます。すぐに誰と誰とお分かりになった方は当時かなり映画をご覧になっていた方だと思います。 そうです、シャーリー・マクレーンとデブラ・ウィンガーです。まずこの二人が「親子の役」で共演していたのが「愛と追憶の日々」ですよね。そして、シャーリー・マクレーンは「愛と喝采の日々」に出演していてアン・バンクロフト(「奇跡の人」「エレファントマン」)と共演しています。 デブラ・ウィンガーは「愛と青春の旅立ち」というもう一つの代表作でリチャード・ギアと恋人役を演じていました。この二人のラブストーリーも当時とても話題になりましたよね。 どれもこれも、その時代を代表する名作ばかりで、内容や出演したスター達の顔を思い浮かべると、もうそれだけで涙がチョチョ切れてしまいます。(なんだか、表現が古いですねぇ。) 名作が誕生する時というのは映画の ①内容, ②出演者,③監督の演出, ④音楽といった要素のアンサンブルが見事なまでに調和が取れていて「現実の世界」に近い「完全なる一つの世界」を創り出してくれますよね。そういった意味では「愛と追憶の日々」は物語の内容といい、出演者:シャーリー・マクレーン、デブラ・ウィンガー、ジャック・ニコルソン、ジェフ・ダニエルズ、ジョン・リスゴーの役者陣の見事な演技とそれを引き出しているブルックス監督の力量と、そして、マイケル・ゴアが作曲した「テーマ曲」がものの見事なアンサンブルを奏でており素晴らしい作品に仕上がっていますよね。 この作品の続編が「夕べの星」です。私は映画のラストで涙を流してしまいましたが、映画の出来というアンサンルを考えた場合、やはり前作を越えるどころか、アンサンブルをまったく感じることが出来ませんでした。ジャック・ニコルソンが出ているからこその「続編」ですよね! ハリウッドのプロの方々に御願いしたいです。「自分達が作りたいもの」をつくるのではなくて「観客がみたいものをみせてほしい」です。